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LETTERS2



枯れてゆく百合
潰れてゆく林檎
萎んでゆく檸檬
朽ちてゆく蕃茄

わたしは色鮮やかだった時のそれを知っている。
瑞々しかった頃のそれを知っている。
わたしの手の中で薫るそれらの香りと
存在感のある重みを覚えている。

そして枯れ,潰れ,萎み,朽ちてゆくそれらを見てきた。


その過程は実に美しかった。
百合はあっという間にくすみ,カラカラに乾涸びた。
林檎は時間をかけて柔らかくなり,蜜を垂れ流した。
檸檬は小さくなってしまった今もなお甘い薫りを放っている。
そして蕃茄は原型を留めることなく溶けていった。
それは本当に美しかった。


それらとわたしの間を流れていった時間と空間は
確実に存在していた。
わたしたちが今ここに存在しているように。
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by okabesayaka | 2011-12-13 21:27 | WORKS | Comments(0)
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